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チェーンメイル入門

チェーンメイルは、ワイヤーを材料にして必要なサイズのジャンプリング(丸カン)を作りひとつひとつ
組み合わせ編んでゆく伝統的な手仕事です。
世界の様々な地域で用いられてきた歴史ある技法でそれぞれの編み方には固有の名前がつけられ、
日本では鎖帷子、欧米ではチェーンメイルと呼ばれています。
チェーンメイルデザイナー角村まゆみさんのご協力でチェーンメイルの基本をお伝えします。

まず、製作するデザインごとにワイヤーの太さとリングの直径を算出することからスタート、
実はこれがたいへん重要なのです。
それぞれのリング(丸カン)に何本のリングをどういった向きで通すことになるのか、それによって
適正な内径が決まってくるのです。
角村さんはマンドレルという道具を使ってサイズごとにワイヤーでコイルを巻き、カットしたリングの断面を
バレルマシンで磨くところからすべて製作しますが、それはたいへんな作業なので。

ここでは既製のリング(丸カン)で作るチェーンメイルをご紹介します。


            


必要なもの
  フラットノーズプライヤー(平やっとこ)2本
  
ジャンプリング(丸カン)

あったら便利なもの
   リングオープナー(指カン)
  
ビーズマット (上にリングを乗せて作業すると扱いやすい)
   ツールマジック(プライヤーのコーティング剤)

ジャンプリング(丸カン)の開閉

チェーンメイルの基本となるジャンプリング(丸カン)の開閉をご説明します。
最大の注意点は決して左右に口を開かないこと! きれいに閉じないばかりかせっかくの真円がくずれてしまいます。

メッキなどコーティングされていても無垢素材であってもリングの表面にキズがはいらないよう、プライヤーの先端は
ボンドやツールマジック、身近なセロハンテープを巻き付けたりして保護されることをおすすめします。

サイズは異なりますが、ネックレスやブレスレットの金具の付け替えや修理の際も同様に丸カンを開閉します。
その場合は先の細いプライヤーと小さな丸カンを使用します。(100円ショップでも入手できるものも)


ジャンプリングの持ち方

ジャンプリング持ち方悪い例  
ジャンプリングの切れ目に近いところを持ちましょう。
右の写真のように切れ目から離れた部分を持って開閉すると、不安定で輪が歪む原因となります。

 
大きなジャンプリングを扱う際はフラットノーズプライヤーの縦の面を利用して接するエリアが長くなるよう工夫します。

ジャンプリング持ち方3
リングのサイズにより異なりますが開き巾は概ね3~5mm、開きすぎると元の真円に戻りにくくなってしまいます。



リングオープナーを使用する場合

あらかじめリングを開いておくと作業能率があがるのでリングオープナーを利用すると便利です。

ジャンプリング開き方2  
利き手ではない方の親指か人差し指にオープナーをはめ、ワイヤーの線径に合った巾の溝に
リングを入れてひねります。(左利きの方は写真と左右逆に道具を持ちます)
プライヤー2本で開くより手間がかかりません。



プライヤー2本使用の場合

   
リングの切れ目を真上にして左右をプライヤーでつかみ、手首を上下にひねってスライドさせるように開きます。
一般的に右利きの方は右の写真のように開くでしょう。


左利きの方が開くとこの写真のようになると思います。
どちらでも楽なほうでかまいません。



ジャンプリングの閉じ方

ジャンプリング閉じ方2 
 

閉じるときは切り口の左右をフラットノーズプライヤーで持ち、スライドして両端をこすり合わせるように近づけ、
カチッと音がするくらいに一度すれちがってから戻して慎重にピタッと合わせます。
リングを閉じたときにワイヤーの断面がまったく見えずピッタリ合っているかどうかで仕上がりに差が出ます。
断面の一部が見えるとカット面が不自然に光ってしまいます。

いずれの場合も数をこなすことで速くきれいにできるようになるでしょう。


(画像提供RUDBECKIA 無断転用禁止)

メビウスボール

開閉の練習を兼ねてメビウスボールからのスタート、ここでは大きな色違いの真鍮のリングを
使用しています。

  リング開     リング閉

リングを開くときは両端を左右に開くのではなく、手前と向こう側に平行移動す るようにスライドさせます。
閉じるときは前後に開いている両端をしっかりはさんでこすり合わせるように近づけ、カチッと音がするくらいに
一度すれちがってから戻しピタッと合わせます。

  メビウス1    メビウス2
閉じてある1本目のリングの下からすくうように2本目のリングを通して閉じます。
(こういった作業の時にビーズマットが重宝です)

  メビウス3    メビウス4
3本目も同じように下から2本のリングをすくって閉じ、4本目、5本目と、同様に繰り返します。
リングの重なりが一定になるよう、置くときとすくうときは必ず同じ向きになるよう気をつけます。

  メビウス5     メビウス6
6本でこのようになります。
リングのサイズや作るもののデザインによって本数に決まりはないようです。

  メビウス7    
別のリングで束ねてメビウスボールの完成です。
これを使って以下のようなジュエリーを作ることができます。


メビウスフックピアスキット       メビウスボールブレスレットキット
メビウスボールフックピアス           メビウスボールブレスレット



メビウスポストピアスキット       メビウスボールネックレスキット
 メビウスボールポストピアス          メビウスボールネックレス
                           

ダブルチェーン

2本一組のリングを長く繋ぎ合わせたものをダブルチェーンといいます。
単純作業で少しつまらないかもしれませんがリングの開閉を練習するにはピッタリです。

  ダブルチェーン2
   ダブルチェーン2
左の写真はリングのサイズが大きいため隙間があいていますが、右の写真のチェーンはバランスも良く
きれいです。
デジタル画像とレシピもご参考になさってください。

ジャンプリングのサイズは線径0.8mm-外径4.0mm 線径1.0mm-外径5.0mm 線径1.2mm-外径6.0mm
が適していると思います。
基準となる
AR3.0、作品によって調整されるとよいでしょう。


ブレスレットやネックレスはもちろんですが、シンプルで丈夫なのでバッグチャームやキーチェーンなどの
パーツ部分にもよく利用しています。
細めの小さなループにするとバチカンにもなります。

      
    

ビザンチンチェーン

チェーンメイルには2本ずつのリングを組み合わせて編むものがいくつかあります。
代表的なビザンチンチェーン、一見複雑なのですが3組のつなげ方を覚えてしまうとシンプルで
作りやすいメイルのひとつです。
リングのサイズが大きくて隙間だらけのビザンチンなのですが組み方のご参考までに。


     
2本ずつ3組のリングを1チームとしてつなぎます。線径1.2mm-外径8.0mmのリング使用しています。
ここではゴールド、シルバー、コパー、の順序でつないでいきます。
編み始めのリングをリボンなどひも状のものでくくっておくと目印となり扱いやすいです。

ちなみに上の右側の写真のように続けて組んだものはダブルチェーンです。

     
3組目のコパーリングをそれぞれ外側にパタンと倒すと2組目のシルバーリングが上がってきます。
その2組目のシルバーリングも外側に開き、間から上がってくる3組目のコパーリングをそのまますくいあげて
ゴールドリングでつなぎます。

     

  
     
   
またくりかえしです。
つないだゴールドにシルバー、コパーの順序で2本ずつつないだらコパーのリングを外側に倒し、
上がってきたシルバーを外側に向けてコパーのリングをゴールドのリングですくって閉じます。


     
     
このくりかえし、隙間が大きすぎるけれどリング同士のつながりかたはビザンチンです。

デジタル画像のレシピも参考になさってください。

              ビザンチン

リングのサイズを小さくすれば、このブレスレットのようなチェーンが組めます。

ジャンプリング線径0.8mm-外径4.5mm 線径1.0mm-外径5.5mm 線径1.2mm-外径6.5mm
でビザンチンを組むことができます。
基準となるAR3.5、作品によって調整してください。



また、リング14個でビザンチンのパーツをいくつか作り、ひとまわり大きなリングでつないでゆくと
下のようになり、ビザンチンだけで編むより軽く仕上がります。
ビザンチン部分(線径1.0mm-外径5.5mm) つないでいる輪(線径1.2mm-外径6.5mm)

            ビザンチンアレンジ   


お客様よりご注文いただいてビザンチンのネックレスを仕上げました。
ずっしりと存在感があって想像以上の豪華さでした。
ジャンプリングでアジャスターを組み、45cm~50cmで着けることができます。

         ビザンチンネックレス(45~50)
        
      

ボックスチェーン(インカプーノ)

2本ずつのリングを組んでゆくチェーンをもうひとつ、インカ プーノ、クイーンズリンク、
ともいわれるボックスチェーンの作り方を紹介します。
チェーンメイルは同じ製法でも様々な地域で独自の名称がつけられていることがよくあります。


ビザンチンチェーンは2本ずつ3組のリングで1チームでしたが、ボックスチェーンは2本ずつ2組が1チームです。

  クイーンズリンク    クイーンズリンク2
 最初だけは3組でスタートするのでここまではビザンチンとまったく同じです。
 ゴールド、シルバー、コパーの順でリングを2本ずつつなぎ、コパーをそれぞれ外側に倒すと
 上がってくるシルバーの間からコパーが見えます。

  クイーンズリンク3    クイーンズリンク4
 ビザンチンはここでゴールドのリングをつなぐのですが、ボックスチェーンはシルバーですくいつなぎ、
またコパーをつなぎます。
 

  クイーンズリンク5    クイーンズリンク6
 コパーのリングををそれぞれ外側に倒し、シルバーも外側に開くと
コパーが現れるのでそれにシルバーを通します。

  クイーンズリンク7    クイーンズリンク
 この繰り返しです。2本ずつのリングの操り方次第でいろいろな模様に変化していくなんておもしろいですね。

デジタル画像のレシピもご参考になさってください。

基準となるAR5.1ですが最小は3.8から組むことができます。


              ボックスチェーンブレスレットキット(8.0mm)
 
  
   

『AR』のこと

『AR』についてお問合せをいただくことがございます。
チェーンメイルの経験が豊富ではない私ですが少しだけふれておきたいと思います。

Aspect Ratio (アスペクトレシオ)はアスペクト比という2次元形状のものの長辺と短辺の比率をあらわす数値です。
チェーンメイルでは組みたいメイルのARがわかればワイヤーの線径(太さ)毎にジャンプリングの内径を算出することができます。

AR = 内径 ÷ 線径 です。なので内径(マンドレルのサイズ)を出すときは
内径 = 線径 x AR  ですね。 
外径 = 内径 +(線径 x 2)、 線径 = 内径 ÷ AR です。

ビザンチンチェーンの基準となるAR3.5ですが、3.3くらいでキツめに組むこともできますし、
4.2くらいで曲げやすいチェーンを組むこともできます。
作品のデザインによってふさわしいARがあることでしょう。
ただ、1個のリングに通さなければならないリングのスペースは必要なので、AR3.1以下のジャンプリングでビザンチンチェーンは組めません。

ボックスチェーンの基準となるAR5.1ですが、3.9くらいでキツめに組むこともできますし、
5.5くらいで曲げやすいチェーンを組むこともできます。
作品のデザインによって適したARを選びたいものです。
ただ、1個のリングに通さなければならないリングのスペースは必要なのでAR3.7以下でボックスチェーンは難しいです。

メビウスボールARをだすのは困難です。
線径はもちろんですが、ひとつのメビウスに使用するジャンプリングの数に左右されるからです。
メビウスはジャンプリング3個くらいでリング状で使うものからボール状になるまで多くのリングを束ねるものなど
形状が自由なので、あえてARを使うことはしません。

チェーンメイルを組むとき、私はジャンプリングを作らずに既製の丸カンの中からふさわしいARのものを使用しています。



M.A.I.L. (Maille Artisans International League)を参考にさせていただきました。


シャギーループ

女性用ブレスレットに適したチェーンメイルです。

画像上のコパー色リング部分が揺れるデザインで涼しげです。
リングサイズにこれといったルールはありません。
画像上のリングサイズは1種類ですが、つながってゆくリングと揺れるリングのサイズを変えて作るのもアリです。


シャギーループ1    シャギーループ3
ゴールドリングを2本つないだら2本目にコパーリングを2本つなぎます。

シャギーループ2    シャギーループ4
つないだコパーリングを左右に倒し1本目のゴールドリングが真ん中にあるようセットし、
あらたに3本目のゴールドリングをつなぎます。

シャギーループ5    シャギーループ6
ここからは繰り返しです。
3本目のゴールドリングにコパーリングを2本つなぎ、2本目のゴールドリングを挟むように左右に倒します。
この作業の連続です。


          シャギーループサンプル3
   ずーっとくりかえしていくと、こういったブレスレットを作ることができます。
   リング(線径1.0mm-外径6.0mm Ag925)同士が奏でる音も優しく、女の子らしいデ
ザインです。
   最初と最後のリングにも同様に揺れるリングをつないであります。

   

          
    

タスズチェーン

タスズチェーンTas’s Chain と綴ります。

3種類のサイズのリングを使用して1本のチェーンを仕上げます。
つなぎ合わせに無理さえなければ、リングサイズに細かなルールがあるわけではありません。
ご参考までに基準となるAR6.0 4.0 3.0 の3サイズとされています。

ここではゴールド大 コパー中 シルバー小 と色分けしました。

タスズチェーン1    タスズチェーン2  
中リングに4本の小リングを並べてつなぎます。
小リングを2本ずつに分けてそれぞれ大リングとつなぎます。

タスズチェーン3    タスズチェーン4
2本の大リングにそれぞれ2本ずつの小リングをつなぎ、
その4本の小リングを中リングでまとめます。

タスズチェーン5    タスズチェーン6
ここからは繰り返しです。

タスズチェーン7    タスズチェーン8


   
      
 
タスズチェーンサンプル3     タスズチェーンフックピアスキット

線径1.0mmで、外径5.0mm 6.0mm 7.0mmのリングを使用してブレスレットやフックピアスを作りました。

 

フラワーチェーン

メビウスボールとダブルチェーンを組み合わせたようなフラワーチェーンをご紹介します。
一見シンプルなのですがどの部分もワイヤーが重なっていてボリュームがあり、華やかな印象です。
メビウスボール同士ををシングルでつないで作るデザインもあります。

大小、2種類のサイズのリングを使います。

  フラワーチェーン1    フラワーチェーン2
小リング2本に大リング1本を通し、2本目の大リングを1本目にクロスさせて閉じます。

  フラワーチェーン3    フラワーチェーン4
3本目の大リングも2本の大リングにクロスさせて閉じ、小リング2本をつなぎます。

  フラワーチェーン5    フラワーチェーン6
大リング1本を通し、2本目の大リングをクロスさせて閉じます。

  フラワーチェーン7    フラワーチェーン8
3本目の大リングも2本の大リングにクロスさせて閉じ、これらの作業の繰り返しです。

フラワーチェーン9     フラワーチェーン10
線径1.0mmで外径5.5mmと7.0mmのジャンプリングで組むとこのように仕上がります。

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